浜松・大平台の家
この家は、建築家・村松篤さんの自邸です。
村松さんと水﨑の付き合いは、かれこれ四半世紀になります。村松さんは、水﨑の手技をアテにして図面を引き、水﨑は、それをちゃんと納めてきました。
村松さんは、水﨑のことを「図面が読める大工」だといいます。いくら精密な図面を書いても、図面が読めなければカタチになりません。図面を正確に読み込んで、要求された世界を、設計者の予想を上回る内容で仕上げるのが、大工の腕です。
水﨑は、分からないところがあると地べたに坐りこみ、墨で原寸図を描いて自分で解き明かし、そうして作業に掛かりました。
また村松さんは、水﨑の資質として「根気の良さ」を挙げます。仕事は、最終結果を見通して、必要な手順を踏み、倦まず厭くせず、粘り強くやれるかどうかで決まります。木と木がかっちりと噛み合い、きれいに納まっていると気持ちいいものです。この気持ちよさを、水﨑自身が欲しているのかも知れません。
「根気の良さ」は、手を抜けない性格を表わしてもいます。労働生産的には不効率でありますが、師匠譲りというべきこの頑固さが、お施主さんの水﨑への信頼や信用につながっているのだと思います。
設計・監理 (有)村松篤設計事務所